「わ」から始まる句
青い魅惑の果実により追放の一途を辿った俺は、底知れない闇の上で磔刑を受けた。そして同胞たちから酷い仕打ちを受け…… いつの間にか俺は病院の一室にいた。 何故俺は病室にいるのか。考え巡らせても見当がつかず、ゆっくり辺…
続きを読む →青い魅惑の果実により追放の一途を辿った俺は、底知れない闇の上で磔刑を受けた。そして同胞たちから酷い仕打ちを受け…… いつの間にか俺は病院の一室にいた。 何故俺は病室にいるのか。考え巡らせても見当がつかず、ゆっくり辺…
続きを読む →こういう感情を、名称を持ったものとして認識する術を俺は知らない。 金曜日の夜、帰宅ラッシュの時間は過ぎているというのに街は賑やかだ。すれ違う人たちの殆どは赤ら顔で、定時のベルと共に会社を出て一杯引っかけてきたのだろう…
続きを読む →「ふーん。あなたがからまつの恋人のいちまつね」 珍しくカラ松を外に誘い出すことに成功して散歩デートに興じていた僕とカラ松の目の前に現れたのは10歳に満たないような幼い女の子で、その子は、「あたし10年後、からまつと結婚…
続きを読む →街中でカラ松と一松がふたり連れ立って、一本の傘を差していた。 梅雨明け間近とはいえ降り注ぐ雨は大粒で、傘を持つ一松の外側の肩と腕がぐっしょりと濡れている。そんな光景を見てしまったのはドラッグストアで傘を購入していたチョ…
続きを読む →びゅうびゅうごうごう。ばたばたざらざら。 耳に入るのは激しい吹雪の音ばかり。被ったフードの下から見た景色は朝だというのに薄暗くて、私は目的地を示すだろう灯りを探すために顔を上げた。途端に顔を打ち付ける雪に目を伏せれば…
続きを読む →ラブホに入った理由を挙げるならば「早いところ休みたかった」それくらいしかなかったように思う。 家からひと駅離れた料理店。チョロ松がライブ仲間に紹介してもらったその店はコストパフォーマンスと酒がうまいと評判の店で、ひと…
続きを読む →虫が飛び交う街灯の下、僕は雑誌を片手に歩いていた。時間は深夜の1時少し前、さすがに人も車も疎らで、歩く道のりはとても静かだ。そんな道を歩いてどこへ行くのかというと24時間営業のスーパーだった。 正確にはそのスーパーに設…
続きを読む →空の端が暗くなり始めた中、エナメルバックを肩に掛けて歩くのは近所の中華街。列びに見える飲食店の外装は原色をふんだんに使ってどれも華やかで、俺のような中学生がひとりで通ると少し得意な気分になる。その内の一軒の焼肉屋の前に…
続きを読む →いちいち記念日を祝うようなマメさはないが、それでも恋人として結ばれた日となると何かしようかな、くらいには思うわけで。 それは記念日となるといつも兄弟と一緒である俺と一松にとっては尚更だった。誕生日だって入学式だって卒業…
続きを読む →仲の良い兄弟ともなると口が軽いもので、特に一松と十四松となると尚更だった。 仲良く猫ちゃんとそれに立ち向かう芋虫ごっこをやった後、なんともなしに頭に浮かんだ話題を十四松は口にする。「一松にーさん」「んー?」「最近カラ…
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