祝杯ひとつ花ふたつ ※パラレル
街の片隅に、その居酒屋はあった。 古めかしいビルの一階。カウンター席が10少しばかりしかないとても小さな居酒屋は、三代続く息の長い店だった。元々は私の祖父が喫茶店として始めた店だったが、その跡を継いだ母が大衆酒場として…
続きを読む →街の片隅に、その居酒屋はあった。 古めかしいビルの一階。カウンター席が10少しばかりしかないとても小さな居酒屋は、三代続く息の長い店だった。元々は私の祖父が喫茶店として始めた店だったが、その跡を継いだ母が大衆酒場として…
続きを読む →「そっかぁ、長谷部は『日本号のちょい呑み配信』知らなかったんだね」 朗らかに笑う主に、出そうになった溜め息をぐっと堪えては相槌を打った。 うちの日本号が「ちょい呑み配信」の日本号である予感を覚えたのは先週のこと。しかし…
続きを読む →人が行き交う盛り場に蝉の鬱陶しい鳴き声と共に生温い風が通り抜ける。見上げれば快晴が広がっていて、自分が覚えている不快感はどこから来るものなのかと顔が歪む。梅雨明けはした筈なんだがこうも空気が湿っていると気温が高くなっ…
続きを読む →時は二二〇〇年代、刀剣男士の存在は日常の一部となっていた。『加州清光の闇鍋ラジオの時間がやってきました。この番組のディスクジョッキーは勿論あんたの初期刀、加州清光だよ』 文机に乗るラヂオから聞き馴染みのある加州の声が聞…
続きを読む →スタンド能力とは実に様々で、時折何の役に立つのかわからないような能力も珍しくない。偶然なのか必然の内なのか僕らの仲間のスタンドは揃って実用性の高い能力を持っていたが、襲ってくる敵の中にはどうしてその能力で僕らに挑もうと…
続きを読む →祖父の死後暫く経ち不仲だった娘との関係が修復してきた頃、久しく交流がなかったある青年から結婚式の招待状が届いた。「康一君か」 相手は高校から交際していた山岸由花子さん。婚約自体は一昨年したと仗助経由で知ったが……昨年は…
続きを読む →どうやら承太郎は僕が好きらしい。 いつからかはよくわかっていない。しかしDIOを倒す旅を共にし、その後も交流が続いていれば彼についてわかることは多々あった。 年不相応に冷静沈着かと思えば売られた喧嘩はがっつり買うし、…
続きを読む →「まあ、平和なスタンド攻撃みたいで良かったじゃあねえか」「他人事だからそう思えるんだよ、ふざけたこと言うなポルナレフ」「確かに戦力的な支障が出ないだけ幸いだったよポルナレフ」 ポルナレフの一言にふたつの異なる言葉が同じ声…
続きを読む →寝る前の父さんはうるさい。 学者である父さんはなかなか家へ帰ってこない。仕事だし仕方ないとあたしは分かっていたし、帰宅した父さんはいない間の時間を埋めるようにあたしや母さんを気にかけてくれたから、それで納得することに…
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